エアロプレスで淹れよう!インバート式(浅〜中煎り向け)

2024年5月26日
エアロプレスを初めて手にした人がまず悩むのがレシピです。 スタンダード式にしろインバート式にしろ プランジャーに粉を入れ、湯を注ぎ、ステアし、プレスする という手順はそれほど変わりませんし、すぐに覚えることでしょう。 しかし、豆の量、挽き目、湯温、湯量、時間、バイパス量などは 調べても山のようにレシピが出てきてどれがよいのかわからない。 そこで、私が普段使いしている粗挽き、中挽き、細挽きそれぞれのレシピをご紹介します。 まずは、このレシピをお試しください。 そして、味を理解し慣れてきたら、 ここをスタート地点としてご自分でどんどんアレンジしてみてください。

基本の淹れ方(インバート式)

[レシピ1] 粗挽きで贅沢に淹れよう

豆の量30g
挽き目TIMEMORE C2 30クリック
湯量120ml
湯温82℃
待機時間
(注湯開始〜プレス開始)
1分10秒
プレス時間30秒
バイパス量75ml(65〜90ml)
バイパス湯温90℃

このレシピはPhilocoffeaの粕谷さんのエアロプレス優勝レシピをTIMEMORE C2用にアレンジしたものです。プレス後のTDSが2.2〜2.5%くらい(豆の焙煎によってはこの範囲から0.2%くらい外れる場合もあります)で、パイパス後に1.3%になるように湯量を決めています。以下のレシピでも同じです。

粗く挽くと粉粒表面と中心部での抽出の差が大きくなります。さらに、低い湯温のため抽出率が下がります。このことを利用し、溶出に時間がかかるえぐみや雑味成分をできるだけ抑えることにより、クリーンでまろやかな味わいとなります。

[レシピ2] 中挽きでポテンシャルを際立たせよう

豆の量20g
挽き目TIMEMORE C2 18クリック
湯量120ml
湯温90℃
待機時間
(注湯開始〜プレス開始)
1分00秒
プレス時間30秒
バイパス量80ml(75〜105ml)
バイパス湯温88℃

中挽きで比較的高い湯温で淹れると抽出率が上がります。これを利用し、早く溶出する成分を粒全体から引き出します。ポテンシャルが高い成分は早く溶出するものが多いので、このレシピで抽出すると特定のポテンシャルが際立ち、味わいにメリハリをつけてくれます。

[レシピ3] 細挽きでポテンシャルの全出し

豆の量16g
挽き目TIMEMORE C2 12クリック
湯量120ml
湯温80℃
待機時間
(注湯開始〜プレス開始)
50秒
プレス時間15秒
バイパス量80ml(75〜105ml)
バイパス湯温90℃

さらに挽き目を細かくすると、抽出率がさらに上がります。一方で、しぶみや雑味も出やすくなりますので、湯温を下げ、短時間で抽出することでポテンシャルのある成分だけを抽出します。さらに、粗挽き、中挽きに比べ粒の表面積が一番大きくなるので、溶出される成分を幾重にも積み重ねることで粉全体が持つポテンシャルをできるだけ引き出すことができます。これにより、しっかりした味わいとなります。

最後に

挽き目の違う3つのレシピをご紹介しました。今回はエアロプレスのレシピですが、プアオーバーでも粗挽き、中挽き、細挽きそれぞれで美味しく淹れることができます。実際、私はプアオーバーでも3つのレシピを使い分けています。 このように、「この器具にはこの挽き目」といったものはありません。固定観念や先入観が強いとそう思いがちですが、コーヒーは自由なんです。あれダメ、これダメを敢えてやってみると、意外とそこには探し求めていたものがあったりするものです。コーヒーとはそういう世界なんです。

このブログを書くにあたって各レシピを何度も試しました。 中でも細挽きレシピは、以前は95〜100度の高温を使っていました。 その方がポテンシャル全出しに向いているからです。 しかし、あるときまったく逆にしたらどうだろうか?と考えました。 あえて細挽きを低温で淹れたら?と。 エアロプレスはもともと短時間なのでさらに短かくすると慌しくなり、失敗の原因にもなります。 低温にすることで接触時間を長めにとってもネガティブが出難くなり、落ち着いて淹れることができました。

このようにときには逆に考えるのもありなんです。 ぜひ、このレシピをスタート地点とし、みなさんの自由な発想でより美味しいレシピを作ってください。

まとめ

  1. エアロプレスはインバート式がおすすめ
  2. 粗挽きレシピは豆を贅沢に使いまろやかな味わい
  3. 中挽きレシピは早く溶出する成分が際立つ
  4. 細挽きレシピは持っているポテンシャルをあますことなく引き出しやすい
  5. 固定観念・先入感を捨て自由は発想で!